2010年6月9日水曜日

ベトナム&ラオス旅行14 焼き畑&象のオフタイム

相変わらずめちゃくちゃ暑くて、あまり乗り気ではなかったが、
学校を休んできてくれたガイドさんにも悪いし・・・と
また、川を渡って山岳民族の村へとトレッキングに出かけた。

ジャングル、とはいっても、ラオスの森は熱帯林ではない。
常緑季節林、および半常緑林と呼ぶそうだ。
中に入ってみると、ここがまだ年若い二次林で、
人の生活と密着した森であることがよくわかる。
天然と思われるのは、川に面した急斜面だけだ。
そう、ラオスは今も焼き畑の国。

知識としては知っていたし、飛行機から見たことはあるが、
実際に焼き畑をが行われている森を歩くのはこれが初めて。
この焼き畑については、訊ねる人ごとに違う答えが返ってくるので
正確なことがわからないが、聞いた限りのことをメモ代わりに書いておく。
基本的には10年に1回木を切り、跡地を焼く。
切った木は、燃料や建築の材料等に使われる。
その跡地に、陸稲、ゴマ、トウモロコシなどの作物を育てる。
地面を焼くことで、灰が肥料となり、雑草も押さえられるというわけだ。
作物と共に生えてくる、蔓性の植物や草木も、和紙のような紙の原料などになる。
これはお土産として人気があるので貴重な現金収入になるそうだ。
で、1回作物を育てた畑は、また放置して森に戻し、10年たったら、繰り返しというのが
現在推奨されている焼き畑の方法らしい。


上から2枚は地面を焼いた後の畑。
たいてい、作業小屋があって、
一番暑い時間は誰かが昼寝をしている。
左は焼いた後の畑に蒔かれたトウモロコシの種。
結構アバウト。





生えてきたトウモロコシ。日本的な畑を見慣れた目には相当ゆるい感じ。日本の農家では隣近所の目で許されそうにない。雑草もバシバシ生えている。 






バナナも、焼き畑に植える作物だったんだ!
考えてみれば当たり前だが、ちょっとびっくり。






基本的には、日本の里山とあまり変わらない、のんびり懐かしい風景だ。

これが続けば理想的な持続可能なエコシステム、なのだが、
現実はなかなか厳しいらしい。
不当な森林伐採、10年も待たずに、すぐに作物を植えてしまうことによっての地力の低下、
外国に木材を売るための植林地の増大、貧困の拡大や人工の増加に伴う焼き畑耕地の拡大、等々。一方で薪を使う人が減って、森が荒れている(日本の里山問題と同じ)、紙を作る職人が高齢化して、質のいい紙を作れなくなっているなどという話も聞いた。

グローバル化と人口増加の問題、そして環境の問題は、ここでも同じように進行している。
もう、地球には楽園なんてない。

トレッキングの途中、ちょっとうれしいことがあった。
象のフンが点々と落ちている。
野生の象はいくら何でもいないだろと、ガイドに聞いてみると、
これはエレファントキャンプの象とのこと。

象は仕事が終わった後、川を渡り、勝手にジャングルに帰って、
食事して、のびのび寝るのだそうだ。

朝になると、またキャンプに出勤。象使いに体を洗ってもらい、
はしゃぎまくる観光客を乗せて、淡々とお仕事する。
つながれっぱなしじゃないんだ。
日本の動物園の象よりは、少し幸せかも。

その夜、バンガローのテラスで、対岸を歩く象の声を聞いた。
何て言ってたんだろうね。